これからの企業には欠かせない?将来の予測にもつながるスキルマトリックスとは

2022/09/07

注目を集めるように変わってきたスキルマトリックスとは

取締役会のメンバーは、とても大事な意味があります。集まっているメンバーによって、どのような方向を向くのか、その能力にも影響されるからです。特に上場会社などが行う総合報告書などでは、だれがどのような役割を持ち、戦略に影響するかを示さなければいけません。

これまでは個人の能力ばかり注目される傾向がありました。企業は集団であり組織です。さまざまな人の個性や強みを生かしてはじめて機能します。そこで注目を集めるようになってきたのがスキルマトリックスでした。

知られていない部分もあるのがスキルマトリックスです。スキルマトリックスとはなにかを知ると、取締役だけではなく、組織として能力を俯瞰することにも役立てられるようになります。

スキルマトリックスとは

スキルマトリックスとはなにかを紐解く前に、スキルマトリックスはスキルとマトリックスという2つの言葉が組み合わされています。スキルとは一般的になりましたが技能のことです。なにか身につけてきた能力もスキルと呼ばれるようになりました。能力という面ではかなり広い範囲を示します。

マトリックスとは、生み出すものを意味する言葉です。そこからITなどでは基板や母体をあらわすようになりました。数学では行列という意味にもなります。つまり、なにかを生み出すものの基盤であり、並びによって答えを導き出すという意味で使われているのです。

スキルマトリックスとは、技能や経験を導き出し、なにができるかを考えるために利用されるようになりました。取締役会で考えた場合、各参加者個人の能力を引き出し一覧という形でわかるようにします。名前に対してなにができるかを図にすることで、これから先にどのようなことができるかを導き出しやすくするのです。

客観的にわかりやすく外部にも遡及できることも重要で、社外や株主に向けた情報開示のひとつとして使われています。

スキルマトリックスとはなんのために公表するか

スキルマトリックスとは、メンバーが持っているスキルを図に配したものです。これをマトリックス図にあらわし、分かりやすく情報開示できるものとして考えるといいでしょう。現在、スキルマトリックスに示されるスキルの代表的なものがあります。

・経営
・製造
・マーケティング
・財務会計
・IT
・労務
・法務
・ESG
・グローバル経験

この辺りは一般的です。こうした情報を開示することで、集団として持っているスキルを確認しやすくなります。これが公正で透明性の高い経営という面で効力を発揮するのです。

メンバーの選任や解任の判断基準になりやすく、どのような決断したのか示しやすくなるでしょう。これから先の経営の方向性なども予測できるようになります。投資家など外部の人たちが見ても、内容を判断する情報のひとつとなるのです。

スキルマトリックスの利用と開示状況

スキルマトリックスは、単なる情報公開以上の意味が出てきます。日本で最初にスキルマトリックスを公開したのは日本取引所グループで2016年でした。2020年の段階では、公開企業が49社にまで広がっています。かなりの大企業が開示してきており、だれでも閲覧できるものもたくさん出てきました。開示を想定している企業の数も増えてきており、これから多くの企業が利用していくことになるでしょう。

コーポレートガバナンス・コードにも、スキルマトリックスに関する記載があります。経営戦略に照らし合わせてスキルの特定ができるためであり、全体の考え方や規模による多様性などを外部に示せるためです。手続きや方針といったことも開示できる下準備になるため、独立社外取締役に関しては他社の経験なども含めて開示すべきとしています。

スキルマトリックスとはどのように活用するべきか

スキルマトリックスとは、単に外部に情報を開示するだけではありません。この情報からなにを得てもらうのか、内部での活用も視野に入れて作成しなければいけない情報だからです。作成フローとともに、注目すべきポイントを押さえなければ、机上の空論に過ぎなくなります。

中長期経営戦略

スキルマトリックスとは、取締役など中枢となる人物のスキルをまとめて図にすることが重要です。ここで出てくる情報は、中長期戦略の策定につながるでしょう。短期的部分であれば、それぞれのスキルが生かされない可能性が出てくるからです。

中長期戦略の策定において、メンバーが持つスキルをどう展開するか、足りない部分はなにかを把握するのが重要です。そのうえで、補うためになにをしているかを示すことで外部に対する説得力も生まれてきます。

中長期戦略を打ち出す過程で、必要なスキルも見えてくるでしょう。これからグローバルな展開を目指すにあたって、スキルを持つ人物がいなかったとします。ステークホルダーから、不安視されることは容易に想像がつくはずです。逆にスキルがあるメンバーの情報を開示することで賛同や安心感を与えることができることは間違いありません。スキルマトリックスとしてメンバーのスキルをはっきり開示する理由です。

そのためには判断基準も重要になります。単にグローバルな経験があるだけではなく、外資などの役員の経験があるとしたら、説得力にも違いが出てくるでしょう。こうした中長期戦略にあったスキルの特定もスキルマトリックスでは必要です。型にはまったものを開示しても、自社の中長期戦略に当てはまらなければ意味はありません。

足りないスキルに対する検討と対応策

スキルマトリックスでは、さまざまスキルに対する評価が行われます。保有状況が正確にわかれば、客観的に評価をくだせるのです。これは現在のスキル保有から不足している部分への対応などでも評価ができます。全体としてどのようなスキルを保持しており、足りないスキルに対してトレーニングなどの対応策の実施や後継者計画といったことも評価対象にできるからです。

例えば退任予定の取締役がいた場合、後継者の候補を選定しなければいけません。そのときにスキルマトリックスの存在は大きな役割を持つでしょう。今後の展開に対してどのような影響を及ぼすかが予測できるからです。スキルの保管や適合しているかの判断など、さまざまな情報を提示できるからこそ、内外部で有効性が高い方法として評価されています。

スキルマトリックスの対象者

スキルマトリックスとは取締役だけが対象ではありません。取締役会として重要な監査役や執行役員も含むことが考えられます。この場合の監査役は、取締役に求められるスキルとは異なります。監査役の場合には、リスクマネジメントやガバナンスといったスキルが求められ、内部統制といったところも出てくるでしょう。

つまり、その立場によりスキルマトリックスとは変えていかなければいけないものなのです。執行役員にも同じことが言え、それぞれの立場によって違いが出てきます。

スキルマトリックスを中長期戦略に生かす

スキルマトリックを中長期戦略に生かしていくためには、定期的に実施していかなければいけません。しっかりと作りこみ開示していくことが必要だからです。

スキルマトリックとは一般的なスキルを開示していけばいいわけでもありません。実際にただチェックを付けただけのスキルマトリックスを見て、だれが信頼性を感じるでしょうか。必要なことはそこではなく、なんのためのスキルマトリックスなのか、影響を及ぼす理由がはっきりしていることにあります。中長期戦略に生かすためにも、どのように生かされているかを提示することも必要です。

グループウェアの働き方改革のことなら、私たちにご相談ください。

私たちは、チームの情報共有を素早くかんたんにするグループウェア「アイポ」を提供しています。豊富な知見を活かし、お客様のお仕事に合ったグループウェアのご利用方法をご提案します。チームの情報共有でお悩みの企業の方は、気軽にご相談ください。

最新記事

OJTで失敗しない方法をご紹介!よくある失敗ケース4つ
建設業界におけるQCDSEとは?基礎知識やおすすめITツールを紹介
Excelは時代遅れなのか?Excelでのスケジュール調整が難しい理由

1分で登録完了。無料お試し終了後、登録済みのデータを引継いでご契約いただけます。