日本の企業に求められている生産性向上とは?

2022/03/02

昨今の日本の企業は労働人口の減少から人材不足に悩まされています。それと同時に課題とされているのが生産性です。国が推進する働き方改革でも生産性向上は欠かせません。

しかし、日本の生産性は先進国でも最低レベルと言われているのが現状です。 今回は日本の企業に求められている生産性向上の課題について解説していきます。生産性向上に悩んでいる経営者や管理職の方の参考になれば幸いです。

生産性の定義

生産性には労働生産性や資本生産性、全要素生産性といった3つの定義があります。この中で、企業が取り組むべき生産性は労働の視点から捉えた生産性である「労働生産性」です。

労働生産性はさらに分類され「付加価値労働生産性」と「物的労働生産性」に分けられます。 本記事では生産性=付加価値労働生産性と定義し、その概要と業務効率化との違いについて解説していきます。

生産性の定義は「付加価値労働生産性」

付加価値労働生産性は、ひとり当たりの粗利のことを指します。生産額や売上から、原材料費や外注費などの原価を引いたものを「付加価値」と言い、そこから労働時間で割った金額が「付加価値労働生産性」です。 付加価値=(生産額または売上ー原価)÷労働時間 つまり「ひとり当たりが1時間でどれくらいの利益を生みだしたか」ということです。

業務効率化との違い

生産性向上と混同されやすい用語として「業務効率化」があります。業務効率化とは、業務のやり方を改善することを指し、指標は「工数や業務量」です。生産性は「利益」を指標としているため、そもそもの視点が異なります。

ただし、生産性と業務効率化には関係性があります。生産性向上には、売上増加やコスト削減、業務効率化といった手段が必要です。つまり、業務効率化は生産性向上の手段というわけです。

生産性向上に対する課題

日本の企業では労働人口減少による人材不足が叫ばれ、生産性低下の原因と言われています。しかし、生産性はあくまでも「ひとり当たりの利益」を指標としています。人材不足だけが生産性低下の原因とは言えないのではないでしょうか。 日本の企業ではマルチタスクや長時間労働といった働き方が多く見られます。

この働き方自体が、生産性が上がらない原因であり課題です。 課題を認識し、それに向けた対策を打つことで生産性が向上します。ここでは、生産性向上に対するそれぞれの課題について解説していきます。

マルチタスクによる集中力の低下

多能工とも呼ばれ、ひとりの従業員が複数の業務や役割を兼任する「マルチタスク」は生産性が落ちる原因です。一見、ひとりで何倍もの生産性を上げられるように感じますが、マルチタスクをすることで大きなストレスが掛かっています。

そのため、思考力や判断力、集中力までも低下し、結果的に作業効率も落ちるというわけです。 特に思考力や判断力が求められるリーダー格の従業員が、マルチタスクをしているケースが多く、生産性向上の弊害となっています。 「マルチタスクが生産性低下の原因である」ということを経営層が認識することから、はじめる必要があります。

長時間労働の常態化

長時間労働の常態化も日本の働き方の問題と言えます。原因としては、属人化した業務が増えることで、業務を分担することができず、負荷が高い業務を担当している従業員の労働時間が延びることになるからです。 また、与えられた業務に対し、人員が不足しているケースもあります。

業務のやり方自体には問題がなくても、人員が不足していては、長時間労働は避けられません。労働時間が長い従業員には身体的な負荷やストレスが掛かり、結果的には生産性が下がることになります。 業務が属人化する原因には、人員不足の場合や人材育成不足が考えられます。

経営層は、長時間労働を強いられない人数を確保できているか、人材育成は効果的に実施できているのかといった視点を持つことが必要です。

生産性向上への取り組み

生産性向上を妨げている課題を認識し、正しい取り組みをしていけば、生産性は向上します。ただし、この取り組みを従業員だけに任せていても生産性は上がりません。会社として取り組むことで、大きな効果を発揮します。 ここでは、生産性向上への取り組みについて、紹介していきます。

現状把握

業務について対策を考える前に、現状を把握し、自社の課題を認識することが大切です。業務の棚卸や業務フローを確認し、生産性向上の妨げになっている部分を整理します。 現状把握は、担当者だけで実施しても高い効果は得られません。 業務に関わる従業員の声を聞くことで、リアルな問題を認識できます。多くの従業員からの声を集め、現状把握を実施しましょう。

標準化

業務の標準化は、属人化から脱却するために必要な取り組みです。マニュアルを整備し、業務の正しいやり方を共有できれば、属人化からの脱却だけでなく品質向上にもつながります。 ここで注意するのは、マニュアルの存在意義です。多くの企業で「マニュアルを作ったけど更新していない」というケースが見受けられます。

マニュアルの更新は付属作業ではなく、業務の一部です。 特にキャリアが長い従業員や、業務の負荷が高い従業員はマニュアルの更新を怠る傾向があります。マニュアルの意味を理解して、業務の標準化を進めましょう。

自動化

業務の自働化により生産性向上が可能です。自働化できれば、人が作業しないため、品質を保ったまま工数を削減できます。それにより、長時間労働も抑制できるというわけです。 標準化できた業務の中で、判断基準がはっきりしているもの、繰り返し作業するものについては、デジタル化やツールの仕様により、自働化できる可能性があります。

自動化を考えるポイントは、完璧に自動化にしようとしないことです。 業務によっては、工程の一部分だけでも自動化することで、生産性向上につながるケースもあります。小さなことでも自動化できるポイントはないか探してみましょう。

人材育成

生産性向上において、人材育成は外せないポイントです。どんなに業務の標準化や自動化を進めても、業務を動かしていくのは「人」です。業務を動かす「人」を育てることで、企業が成長し、生産性も向上します。 そのためには、計画的に人材育成を進めることが大切です。

将来的に必要となる人材を想定し、計画的に進めることで、人材は育ちます。 ここでのポイントは研修だけが人材育成ではないということです。チャレンジする風土を作ることで、従業員のチャレンジ意識が芽生え、ひいては人材育成につながります。 風土作りも意識して、人材育成を進めましょう。

仕組み作り

仕組み作りも生産性に欠かせないポイントです。組織を整備し、各従業員の役割を明確にすることで、生産性は向上します。労働環境や評価制度を見直すことも効果的です。 従業員は変化に敏感です。設備投資や、就業ルールを見直すことで、従業員の働きやすさが上がります。評価制度の見直しはエンゲージメント向上につながります。 経営層は、従業員を第一に考えた仕組み作りを意識しましょう。

自社の課題を把握し、生産性向上につなげよう

日本の企業ではマルチタスクの浸透や長時間労働の常態化が問題となり、生産性向上を妨げています。自社の課題をしっかり把握し、その理由を理解することで、はじめて生産性向上への取り組みが始められます。

どんなに業務の標準化や自動化を進めても、それを動かすのは従業員です。従業員ファーストの意識を持ち、人材育成や仕組み作りに取り組みましょう。

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