こんにちは。「クロジカスケジュール管理」コンサルティングチームの林です。
環境保護意識の高まりや経費削減の要求を受けて、企業ではペーパーレス化が推進されています。あなたの職場でもペーパーレス化が進められているのではないでしょうか。
そのように少しずつ社会に浸透してきたペーパーレス化ですが、新型コロナウイルスの大流行によってその浸透度は一気に高まりました。今回は、そんなペーパーレス化が必要とされる理由やメリットなどについて説明します。
目次
そもそもペーパーレス化とは
企業活動で使用される紙媒体の資料を電子データに置き換えることを、ペーパーレス化と呼びます。ペーパーレス化の目的は、使用する紙の量を削減することによって業務の効率化と経費の削減を図るとともに地球環境を守っていくことです。
なぜペーパーレス化が求められるのか
ペーパーレス化は、働き方改革の一環として取り組みが始まりました。日本では、少子高齢化の進行に伴って労働人口の減少が続いており、少ない人数で成果を上げるために業務の効率化が求められるようになりました。その効率化の一つにテレワークがあります。
テレワークでは基本的には電子データを活用して業務を進めていくことになりますので、紙媒体の資料では業務に支障がでます。そのため、これまで紙媒体の資料ばかりを利用していたものを電子データに置き換える取り組みが必要になったのです。
紙媒体の資料には、伝達能力や保存能力に大きなメリットがあるのは事実です。しかしながら、その資料を作成するためには、電子データと異なり印刷やファイリングなどの作業が必要になります。また、作成した資料の管理も必要です。
それらの作業に多くの時間が割かれてしまうため、本来やらなければならない優先度の高い業務にあてる時間が少なくなってしまうというデメリットがあります。
ペーパーレス化を達成すれば、その時間を効率的に活用することができます。また、文書を保管する物理的スペースも節約することができるので、その部分でも経費削減につながります。
さらに、紙媒体の資料とは異なりサーバーにアクセスできるデバイスさえあれば、どこからでも資料にアクセスできるようになるため、資料の閲覧や管理のために出勤することが不要になります。
ペーパーレス化が浸透しない3つの理由
企業文書を電子化するクラウドサービスを展開しているペーパーロジック社が行った、東京に本社を置く企業の担当者111名を対象とした調査があります。この調査では、電子契約を導入していないという企業が71.2%もいました。
東京の会社ですらこの状況ですので、地方においてはもっと高い割合になることが想像されます。このように情報の電子化が進んでいない背景には、次のような問題が存在します。
- 会社内のインフラが整備されていない
- 紙媒体を前提とした規則が改正されていない
- 社員のITに関する知識が不足している
*参考 ペーパーロジック株式会社|【リサーチ】電子契約導入実態定点調査
会社内のインフラが整備されていない
会社内でペーパーレス化に必要な環境が整えられていないことが、問題の一つです。経営陣が従来の考え方から抜け出せず、情報の電子化に必要な環境整備を理解できていないのが問題です。
現状で問題が無いからという理由で経営陣が本腰を入れていない場合、このような状況が発生します。
紙媒体を前提とした規則が改正されていない
物理的な環境が整備されたとしても、社内規則が従来のままであれば意味がありません。
電子データの保存方法やファイルに設定する名称のルールなど、様々な取り決めを行う必要があります。
また、一部の契約書類等については、法令により紙媒体で作成することが義務づけられているものもあります。電子帳簿保存法の改定など、少しずつペーパーレス化に適応してきてはいますが、法令が足を引っ張っている側面があるのも事実です。
社員のITに関する知識が不足している
社員のITに関する知識が不足している場合も、ペーパーレス化を進めることができません。必要な知識は、サーバーアクセスやクラウドサービスログインの方法、基本的なITセキュリティに関することなどです。
そこまで専門的な知識というわけではありませんが、社員の中にはITアレルギーともいわれる電子情報に嫌悪感を持つ人も存在する可能性があるため、全体の歩調を合わせることが難しい場合もあります。
ペーパーレス化による4つのメリット
ペーパーレス化の推進には、先述したいくつかの問題を解決していく必要があります。問題の解決にはそれなりの苦労があるかもしれませんが、ペーパーレス化を達成すると次の4つのメリットを享受することができます。
経費の削減
紙媒体の資料が電子データに置き換わるため、印刷や保管に関連する経費が削減できます。コピー用紙の購入費用やプリンターのレンタル・保守費用、書類保管場所の使用料など削減できる経費は幅広いものです。
従来であれば資料の送付には郵送費用が必要でしたが、電子データであればメールで送付できてしまうため、それも不要になります。また、それらの作業にかかっていた人件費が削減できることも大きなポイントです。
業務効率化
大塚商会の調査では、ビジネスマンは年間150時間程度、探し物に業務時間を費やしているそうです。探し物には、当然紙媒体の書類も含まれます。書類を電子化することができれば、検索機能を使用して探し物の時間を短縮することができます。
また、資料の閲覧や共有を外出先からも行えるようになるため、仕事の効率は格段に向上します。
スペースの有効活用
紙媒体の書類は、ファイルに編纂し保管庫に保存することが必要です。保管庫が事務室の大部分を占めているという状況も珍しくありません。電子データであればサーバーに保存することができるので、そのスペースを有効活用できるようになります。
文書損壊リスクの低減
紙媒体の書類は、火災や自然災害に見舞われたとき消失してしまうというリスクを抱えています。電子データとして保存しておけば、それらのリスクは大きく軽減することができます。サーバーの管理さえ徹底しておけば、半永久的な保存が可能です。すべての紙媒体資料を厳重に管理することは現実的ではありませんが、サーバー一つであればできない事はありません。
また、インクの経年劣化によって文章が読めなくなったり、文書廃棄時に情報が漏洩するといったリスクもなくなります。
ペーパーレス化のデメリット
このように様々なメリットを持つペーパーレス化にも、デメリットは存在します。ここからは、そのデメリットについて確認していきましょう。
導入にコストが必要
ペーパーレス化を導入するためには、個人用のデバイスやネットワーク環境を整備することが必要になります。また、サーバーのレンタル費用やクラウドサービスの利用料等も必要になってきます。
そのうえ、現状紙ベースで保管されている資料を電子データ化する作業も必要になりますので、導入にあたってはそれなりのコストがかかります。
デジタル化に不向きな資料も存在する
電子データの欠点の一つに、表示サイズの問題があります。紙媒体の資料であれば、大きい紙を用意すればどのようなサイズにも対応できますが、電子データの場合はモニター幅が最大サイズとなります。もちろん、拡大表示を行うことは可能ですが、その場合は資料の全体像が把握しづらくなります。
また、複数の資料を比較するために画面の切り替えが必要な場合もあり、その際は著しく作業効率が悪化します。
システムエラーが発生する可能性がある
サーバーの故障やシステムエラーにより資料が閲覧できなくなるリスクもあります。最悪の場合は、データが復旧できず資料が消失してしまう可能性もないとはいいきれません。そのような事態に備えて、バックアップを保存しておくなどの事前対策を行うことが必要です。
まとめ|ペーパーレス化の実現までの道のり
これまで、ペーパーレス化がなぜ求められるのか、浸透しない理由、メリット・デメリットなどをみてきました。ペーパーレス化の導入や浸透させることは障壁もありますが、それ以上に多くのメリットがあります。
業務形態や企業風土によって、ペーパーレス化導入の難しさはさまざまです。いきなり全ての業務を電子データに置き換えるのではなく、段階的に導入していくようにしましょう。ペーパーレス化を成功させるためには、トップの意識改革と現場の協力が必要です。しっかりとしたリーダーシップを発揮しながらも、現場の要望も取り入れ、実現可能な取り組みを進めていきましょう。
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