ITツールの導入で介護現場の効率化を実現する理由を徹底解説

2021/09/24

介護業界では、IT技術による商品やサービスがなかなか取り入れられず、IT化が進みにくいと言われています。しかし、介護の現場における様々な課題を解決するために、IT技術を取り入れた製品やサービスが開発されており、既にITによるシステムを介護業務に導入することで、効率化・省力化を実現している介護施設も増えているといいます。

ここでは、介護現場における利用が期待される注目のITツールについて、その特徴や効果をご紹介します。

介護現場の課題

昨今の厳しい経済情勢から、介護業界への転職者が増加する可能性があると言われていますが、その場合、その人たちに即戦力として活躍してもらうためは、教育・研修が不可欠です。しかしながら、公益財団法人介護労働安全センターが行った調査結果によると、介護従事者のうち、およそ四分の一が「教育・研修の時間が十分に取れない」と回答しているのです。

一方で、介護従事者の半分強が「良質な人材の確保が難しい」、およそ三分の一が「指定介護サービスに提供する書類作成が煩雑で、時間に追われている」と回答しているのです。そのうえ、新型コロナウイルス感染対策の手間も増えているため、ますます新人を指導している時間が無いという方も多いと思います。

多忙のため教育・研修の時間が取れないことで、良質な人材が確保できない、そのためにますます多忙となる、という負のスパイラルが起こっていると言えるでしょう。この状況を抜け出すには、研修やOJTを行うための工夫をすることが必要であり、そのためには他の業種の取り組みもヒントになります。

小売業界や飲食業界に学ぶ新人教育

介護業界は、小売業界や飲食業界との間には、顧客と対面で行うサービスがメインで、現場でのOJTによるノウハウの伝達が重要であること、勤務形態がシフト制であるため従業員が一堂に会しての研修の機会を設けにくい、といった共通点があります。こうした課題に対応するため、小売業界や飲食業界では、スマホのアプリによる動画を活用して教育・研修を行う企業が増えてきています。

例えば、タイムカードの押し方や休憩時間の取り方といった勤務に関する基本事項から、お客様にドリンクのお代わりを進めるコツ、といった内容まで動画コンテンツにまとめ、従業員にその動画を見ておくように指示をするというものです。

一度作った動画コンテンツは、対象者が増えても当分の間活用することができますし、教育・研修の講師役であるスタッフの負担軽減にもつながります。また、従業員のほうも理解できるまで繰り返し視聴することができるので、とても便利です。

参考URL
https://helpmanjapan.com/article/5579

これから伸びる介護業務の効率化支援システム市場

介護業界の深刻な人材不足を解消するためのITツールが注目されています。介護・福祉関連の製品・サービスに関する市場調査結果から、介護の現場でどのようなITツールの需要があるのか、見ていきたいと思います。

IT技術による情報共有の効率化

富士経済グループがマーケット情報のひとつとして、介護・福祉関連製品・サービス市場の調査結果を発表しています。その中で注目市場として挙げられているのが、スマートフォンやタブレット端末から介護記録を随時入力することで、介護業務の効率化を支援するシステムです。

これまで介護現場では、手書きのメモを後でPCに入力するのが一般的で、作業効率が低下したり介護に従事する職員の負担が多くなる一因となっていましたが、以前は職員がスマートフォンやタブレットを使いこなすことができず、このようなシステムの導入が困難となっていました。

しかし、現在では職員の多くがスマートフォンなどを使用するようになったことから、導入にあたっての障壁は無くなりつつあります。IT技術の活用によって、大幅な時間削減が実現できますし、情報共有も迅速に行えますので、介護現場の負担軽減が図られることとなり、離職率を下げること、ひいては人材不足の解消にも期待が持てます。

富士経済グループの調査結果によれば、このシステムの市場規模は、2019年では2018年比10.0%増の11億円(見込値)に、2025年には2018年比2.2倍の22億円までに大きく拡大することが予測されています。

介護業界のIoT活用とは

介護業務の効率化を支援するシステムについて、特に需要が見込まれるのが訪問介護の現場です。訪問介護では一日に5件~10件の住宅を訪問してケアを行っていますが、介護職員は住宅を訪問した時間など実施したケア内容を記録して、訪問介護事業者に提出しなければなりません。

例えば、各住宅に設置したセンサーにスマートフォンをかざすことで、訪問時間が記録できるシステムや、スマートフォンに入力したケア内容を基幹システムと連携し、ケア内容が自動的に転送・入力できるシステムを導入することなどにより、書類作成の手間を大幅に省くことができます。

有料老人ホームや高齢者住宅、特別養護老人ホーム、介護老人保健施設などの入所サービス事業者においても、IoTシステムの導入が徐々に進んでいます。これまで、介護施設におけるIoTシステムは入所者の徘徊や転倒を防止することを目的としているケースが多かったのですが、健康管理に活用しているケースも増えており、例えば認知症の入居者がベッドから立ち上がった際にセンサーで感知して通報したり、施設の天井にセンサーを設置して入居者の健康管理に活用している施設もあります。

こうしたIoTシステムの導入には、Wi-Fiの整備が不可欠ですが、現状ではまだまだ介護施設においてWi-Fiの整備が進んでいない状況にあります。ただ、介護施設における業務効率化のためにも、今後Wi-Fiの整備が進んでいくことが予想され、それと相まってIoTシステムの導入も進んでいくことが期待されています。

参考URL
https://www.pc-webzine.com/entry/2020/08/it-26.html

介護業界のITツール導入事例①

介護業界においては、まだまだ経営者のITツールのメリットへの理解が進んでいないことや、資金面で余裕のない事業者も多いことから、ITツールの導入が進んでいないのが現状です。

しかし、中にはアプリや動画を活用して業務の効率化を図っている事例もあります。本章では、特別養護老人ホームを経営している事業者の取り組みをご紹介します。

この事業者は、ITツールを導入して、スマートフォンやPCで視聴可能なマニュアルを作成することで、業務を標準化し属人化を解消することや、社内の問合わせを少なくすること、新人教育の効率化を図っています。

マニュアルの内容としては、消耗品発注や食器用洗剤の希釈方法など、頻繁に行わなければならないものの覚えにくい業務や、入居者によって異なっている口腔ケア・ポジショニングの手順といった、個別の入居者ごとに対処しなければならないものなど、が中心となっています。

ITツールは、どのコンテンツを誰が何回閲覧したか記録されて確認ができるシステムとなっています。これにより前向きな新人はより積極的に閲覧していこと、学習の進捗も早いことなどが見て取れ、システム導入の効果が確認できているそうです。

介護業界のITツール導入事例②

もう一つの事例として、有料老人ホームなどを全国で展開する介護施設では、動画による教育ツールを導入することで、入社時に伝える給与規定や勤務規定や、業務を遂行する上で必要なIT機器の操作マニュアルなどをいつでも閲覧できるようにし、社員教育の省力化を図っています。

特に中小の介護事業者においては、教育用の動画作成などに手間やコストをかけられないとこが多いのですが、ITツールはこうした介護事業者向けに汎用性のある動画を提供しています。

また、介護現場においては、個々の利用者ごとにケアの内容も利用者の体の状態も異なりますし、同じ利用者でも日々状態が変化するので、多くのケースに対応する汎用性のある動画の作成は困難です。

しかし、必ず知っておかなければいけない重要なポイントや、決してやってはいけない行動というものはありますので、動画コンテンツでは、そうした内容を中心に、未経験者にはわかりやすく、ベテランの方には知識の更新に役立つようなコンテンツ作りを目指しています。

参考URL
https://kaigo.ten-navi.com/article/24

ITツールの導入で介護施設を効率化

ITツールの導入で介護業界が効率化できる理由について理解は深められたでしょうか。

介護業界における人材不足という課題を解決するために、ITは重要な手段であり、多くの事業所において導入が進むことが予想されます。介護記録システムはもちろん、介護ロボットの導入も進んでいくかも知れません。

この時、忘れてはならないのは、ITはあくまで手段であって、その目的はあくまで、介護業務の効率化による労働環境の改善と人材確保、そして利用者のQOL向上やADL維持だということです。ITの導入に当たっては、介護の本来の目的に資するかということを第一にIT機器やシステムの選択をするようにしましょう。

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