
業務を遂行している中で今いったい何をしているか、それをだれもがわかる状態を作るのは簡単ではありません。状況の把握こそ、業務効率化の大事なポイントです。しかし、現実的にはかなり難しいことはよく知られてきました。
例えば業務の担当者は理解していても、トップは理解していないことも珍しくないでしょう。現実的にはすべて把握する必要はないかもしれません。それでも現実的に何が行われているか、正確な情報がなければ、決断できないことも出てきます。この問題を解決するために、業務フローの考え方が出てきました。
目次
業務の可視化
業務フローとは、業務の可視化です。非常に簡単に解釈していますが、業務フローの本質を表しています。実際には業務フローとはプロセスを可視化できるために作られる図のことであり、流れがわかりやすくなるよう作られます。仕事をスムーズに進めるためのものであり、特に現場では仕事の質を均一化するのにも重要な役割を持つのです。
つまり無駄なく流れを整理して作られたものであり、一定の知識を有していればどんな仕事をするのか一目瞭然となります。担当者レベルは当然ですがトップなど管理者レベルでも業務の把握が進むようになり、効率化の大きな情報となるのです。
スリムな構造を作り横断的な連携も促す
業務フローはさまざまな目的で作成されます。一番は業務の整理整頓であり、無駄をなくしてスリムな構造を作ることです。可視化により、何が無駄なのか必要のない部分が見えてきます。この無駄を取り払うためにも業務フローが役立つのです。
無駄な部分がわかるとともに、問題点も把握しやすくなります。業務のボトルネックがわかりやすくなり、だれもが気が付くようになるからです。ボトルネックが取り除ければ、業務はスムーズに進みます。効率化を図ると同時に、労働負担の軽減や経費節減にもつながるのです。経営者レベルが把握する必要のあるポイントになります。
横断的な認識にも業務フローは役立ちます。隣の部署は何をしているかわからないといった状況は、業務の効率化にとって大きな足かせです。これでは全体の効率は上がるわけありません。
現実的な問題を見ると、隣の部署の業務内容把握は簡単ではないでしょう。同じ業務に携わっているわけではない以上、何をしているかわからない部分が出てくるからです。自分の部署だけで手いっぱいということも考えられます。
業務フローがあれば、何をしているかが図によって示されます。担当者レベルでも理解しやすい内容となり、横断的な理解につながるのです。全体の効率化の面で大きな役割を果たしてくれます。
業務フローの活用事例
業務フローとは、どんな業種でも使えるものです。ただし、業種によっては作られるべきものが異なってきます。これを知っていると、業務フローとはどんな使い方をすべきか見えてくるでしょう。
代表的なのが製造業です。製造業では、材料の荷受けから製造、出荷までさまざまな工程が絡みます。仕掛品の扱い、次の工程への影響などからも業務フローは活躍してきました。
複雑な工程を可視化しやすくなるだけではなく、どんなロスが発生するか人員や機材の配置といった面にまで役立ったのです。中間の管理職だけではなく、トップレベルでも業務内容を把握しやすくなり、効率化への第一歩として活用されてきました。
非常に申請業務が多くみられる特徴を持つのが学校関係です。校内の申請だけではなく、監督官庁なども含めさまざまな書類が行き来します。その中で内容を把握するために業務フローが使われてきました。作図することで一体どこがボトルネックになるのかもわかり、ミスを防ぐためにも有効になります。学生側の混乱防止という面でも役立ってきたため、多くの学校関係で使われてきました。
意外と知られていないのが金融業です。金融業も学校関係と同じように申請などの書類が多数存在します。さらに事務作業が煩雑化しやすいため、業務を可視化しておくことで安全性も確保できるのです。スムーズな業務展開を目指すためにも、日常的に活用されてきました。
業務フローの活用とポイント
業務フローを生かすためには、いくつかのポイントがあります。どんなことによって分かりにくくなるかを理解し作成していかなければいけません。さまざまなツールを使っても、この基本は同じです。
スタートを明確にする
どんな図でもスタート地点がわからなければ、終着点も見えません。つまり、始まりが明確になっていなければいけないのです。
業務フローとは、流れを示す図です。それもだれが見てもわかることが条件といえます。そのためのスタートはとっかかりであり、ここからすべてが始まるのです。なによりも業務フローの活用に重要なポイントとなるでしょう。
流れを分かりやすくする
業務フローとは、名前の通りフローでなければいけません。フローは流れを意味する言葉であり、業務の流れがわかることが求められます。業務の流れを明確にすることが必要ですが、いろいろと配置することで混乱するケースが出てくるのです。
フロー図として接続線を設けていきますが、できるだけ簡略にしなければいけません。線の交差をなくし、それぞれの流れを追いやすくすることです。スタートがわかったうえで流れがはっきりとすれば、業務フロー図はだれが見てもわかるものへと変わっていきます。
分岐は分かりやすく
業務フローはただつながっていくものではありません。業務の内容によっては、条件によって分岐が起こるからです。この分岐はだれが見てもわかることが求められます。なにを条件として分岐するのか、先の流れまで把握しやすい必要があるのです。処理がはっきりしていないと、複雑なだけの図が出来上がります。作成者としては理解できていても、ほかの人が見たらわからない。多くの原因はこうした条件に隠れているのです。
必要タスクと時系列の洗い出し
必要な情報はなにか、タスクの洗い出しが必要です。ですがこの洗い出しだけで終わらせては意味がありません。業務フローは単なる図ではなく、仕事の流れを表しています。仕事はただつながるだけではなく、作業時間なども含め時間軸が存在するからです。この時間を表していくことが、業務フローを分かりやすく利用しやすくするポイントにつながります。
時間軸を整理すると、いつ何をしなければいけないかが見えてきます。スケジュール管理とともに進めていけば、業務効率を改善できるのです。業務フローが時系列を含んでいないと単純な手順書で終わり、全体的な流れにつながりません。図が混乱する原因にもつながるため、時系列を意識して作る必要があるのです。
サブプロセスも作る
業務フローとは、作業全体を表すものなのを忘れてはいけません。メインとなる仕事だけが作業フローではないからです。サブプロセスについても記載する必要があります。生産に関する業務フローでは、製品の梱包や出荷といったプロセスも必要になるでしょう。
こうしたプロセスを抜くと、全体的な把握につながりません。しかしこれをすべてひとまとめにするのではなく、サブプロセスとしてまとめると図が間延びする状況を防げます。
スケジュール管理も併せて効率化を
作業フローとは仕事の流れを表したものであり、業務の把握に欠かせません。効率化の最初の段階ともいえるでしょう。ここから無駄はないか、業務改善の手掛かりを見つけられるからです。古くから使われてきた技法ですが、業務フローは信頼性が高いことから重宝されてきました。
現在はICT技術により、だれでも簡単に作成できるように環境が作られています。ですが単一で活用するのではなく、スケジュール管理と合わせ作ることが求められるのです。時間軸があやふやだと、結果として効率化につながりません。どこがボトルネックになるかを判断するためにも、一緒に活用していくことが大切なのです。
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